宮宿は東海道五十三次で最大の宿場でした。本陣2軒、旅籠248軒。なぜこれほど大きな宿場が必要だったのか。答えは単純で、ここから先は船に乗るからです。
七里の渡し。宮宿から桑名宿まで海上約27km、所要約4時間の渡船。天候次第では何日も足止めされることもありました。旅人たちは宮宿で天気を待ち、熱田神宮で旅の安全を祈り、渡し場に向かったのです。
現在の宮宿は名古屋市熱田区。都市化が進み宿場の面影はわずかですが、熱田神宮と七里の渡し跡は当時のまま残っています。この記事では、江戸時代の旅人と同じ動線で宮宿を歩きます。
宮宿の基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 宿場番号 | 東海道第41宿 |
| 所在地 | 愛知県名古屋市熱田区 |
| 日本橋からの距離 | 約346km |
| 本陣 | 2軒 |
| 旅籠 | 248軒(東海道最多) |
| 次の宿場 | 桑名宿(七里の渡し・海上27km) |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
熱田神宮で旅の安全を祈る

宮宿の「宮」は熱田神宮に由来します。三種の神器の一つ「草薙神剣」を祀る格式高い神社で、江戸時代の旅人にとっても重要な参拝地でした。
東海道を歩いてきた旅人は、七里の渡しに乗る前にここで航海安全を祈願しました。現在も旧東海道沿いに南門があり、街道歩きの途中で自然に立ち寄れます。境内は広く、本殿までの参道を往復すると20〜30分ほどかかります。
時間に余裕があれば、きしめんの宮(境内の食事処)で名古屋名物のきしめんを食べられます。街道歩き中の食事としては手軽で美味しい選択肢です。
熱田神宮の境内は約19万㎡と広大で、楠の巨木が茂る参道は夏でも涼しく休憩に適しています。信長塀(織田信長が桶狭間の戦いの前に奉納したとされる塀)も見どころの一つです。
七里の渡し跡に立つ

熱田神宮から南へ徒歩5分ほどで、七里の渡し跡に着きます。現在は「宮の渡し公園」として整備されており、常夜灯と時の鐘が復元されています。
ここが東海道唯一の長距離海上ルートの出発地です。目の前には堀川が流れており、かつてはこの水面の先に伊勢湾が広がっていました。今は埋め立てで海は見えませんが、常夜灯だけが当時の渡し場の記憶を伝えています。
七里の渡しは現在は廃止されているため、桑名宿へは電車(名鉄+近鉄またはJR)で移動するか、佐屋街道(陸路の迂回ルート)を歩くことになります。
宮の渡し公園内には「時の鐘」の復元もあり、かつて船の出航時刻を知らせていた鐘の姿を見ることができます。公園自体は小さいですが、ベンチがあり休憩に使えます。常夜灯の前で記念撮影をしている街道ウォーカーをよく見かけます。
なお、江戸時代の七里の渡しは片道約4時間、運賃は一人あたり約100文(現在の価値で2000〜3000円程度)でした。悪天候で欠航すると数日間足止めになることもあり、宮宿に旅籠が248軒も必要だった理由がわかります。
補給・トイレ
宮宿は名古屋市内のため、補給に困ることはありません。
コンビニ:
・セブンイレブン熱田神宮南店(熱田神宮南門から徒歩2分)
・ファミリーマート熱田伝馬町店(旧東海道沿い・徒歩3分)
トイレ:
・熱田神宮境内(複数箇所)
・宮の渡し公園内
・コンビニ
食事:
・きしめんの宮(熱田神宮境内・営業時間に注意)
・あつた蓬莱軒(ひつまぶし・行列覚悟)
・周辺にチェーン店多数
アクセス・最寄り駅
最寄り駅:
・熱田駅(JR東海道本線)— 七里の渡し跡まで徒歩10分
・神宮前駅(名鉄名古屋本線)— 熱田神宮正門まで徒歩3分
・神宮西駅(名古屋市営地下鉄名城線)— 熱田神宮西門まで徒歩5分
区切り歩き:
・名古屋駅から神宮前駅まで名鉄で約5分。非常にアクセスしやすい宿場です
・前の鳴海宿から宮宿までは約6.5km(約1.5時間)
・宮宿で東海道歩きを区切り、七里の渡し跡を見学して帰るパターンが多いです
宿泊情報
名古屋市内のため宿泊施設は豊富です。
・名古屋駅周辺のビジネスホテル(選択肢多数・名鉄で5分)
・金山駅周辺(JR・名鉄・地下鉄の交差点で便利)
・熱田区内にもビジネスホテルあり
翌日に桑名方面へ進む場合は、名古屋駅から近鉄特急で桑名駅へ約20分で移動できます。
実際に歩いた管理人のひとこと
宮宿は「ここから船に乗る」という江戸時代の旅人の緊張感を想像しながら歩きました。
七里の渡し跡に立つと、目の前に水面が広がっていたであろう風景が浮かびます。今は埋め立てられて道路になっていますが、常夜灯だけが当時のまま残っています。
熱田神宮で旅の安全を祈願してから次の区間に進むのが、江戸時代と同じ作法です。
まとめ
宮宿は東海道最大の宿場であり、七里の渡しの出発地です。現在は都市化が進んでいますが、熱田神宮と七里の渡し跡が当時の記憶を伝えています。
名古屋市内でアクセス抜群なので、区切り歩きの起点・終点としても使いやすい宿場です。
関連リンク
・次の区間:宮宿〜桑名宿(七里の渡し)

・前の区間:鳴海宿〜宮宿



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