碓氷峠を越えてきた体に、軽井沢の空気は優しいです。

軽井沢宿から沓掛宿まで3km。中山道の全区間の中でも最短クラスの距離です。標高差はほぼなく、1000m前後の高原台地を横に移動するだけ。碓氷峠11km・標高差700mを越えてきた翌日にこの区間を歩くと、「昨日の苦労はこのためだったのか」と感じるはずです。
現在の旧軽井沢から中軽井沢へ向かう道。江戸時代の宿場と現代のリゾートが同じ道の上に重なっている不思議な区間です。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区間 | 軽井沢宿 → 沓掛宿 |
| 距離 | 3km |
| 所要時間 | 約35分(時速5km換算) |
| 難易度 | ★☆☆☆☆(完全平坦) |
| 標高 | 約1000m→960m(ほぼ平坦) |
| 補給 | 旧軽井沢銀座に飲食店・コンビニ多数 |
| トイレ | 旧軽井沢・中軽井沢ともに公衆トイレあり |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
旧軽井沢から中軽井沢へ — 高原台地を歩く
旧軽井沢銀座の西端から出発します。観光客で賑わう商店街を抜けると、木立の中の道に入ります。別荘地特有の緑豊かな環境で、両側に木々が茂り、空気がひんやりしています。
道は旧中山道として整備されており、歩きやすい舗装路が続きます。車通りは少なく、木漏れ日の下を散歩気分で歩けます。標高1000mの高原なので、夏でも涼しく快適です。
中軽井沢(旧・沓掛宿)に近づくと、住宅地とペンションが増えてきます。旧中山道は現在の中軽井沢駅方面に向かい、かつての沓掛宿の場所に到着します。
かつての宿場、今のリゾート
軽井沢宿はかつて碓氷峠を越えてきた旅人が最初に休む宿場でした。旅籠が並び、峠越えの疲れを癒す場所。その機能は今も変わりません。ただし現在の客はリゾート客で、宿場は商店街に姿を変えています。


旧軽井沢銀座を歩くと、軽井沢彫りの家具店、ジャム専門店、パン屋が並びます。江戸時代の旅籠の面影はほぼありませんが、「峠を越えた人が休む場所」という本質は300年変わっていないと思えます。
沓掛宿(現・中軽井沢)はさらに面影が薄く、現在は住宅地とペンション街になっています。かつて宿場だったことを示す石碑が数箇所に立つだけ。しかし旧中山道の道筋そのものは残っており、歩けばかつての宿場の配置が体でわかります。
見どころ
旧軽井沢銀座(出発点)
中山道のスタート地点として旧軽井沢銀座を通過します。街道歩きの観点では「補給と休息のための商店街」。パンや焼き菓子、コーヒーなど、出発前の軽い食事に最適です。
ショー記念礼拝堂
旧軽井沢銀座の奥に、軽井沢を別荘地として開いたA.C.ショーの記念礼拝堂があります。明治時代に建てられた素朴な木造教会で、軽井沢が国際リゾートになった原点の場所です。中山道からは少し外れますが、徒歩5分程度。
つるや旅館跡
旧軽井沢の中山道沿いに、江戸時代から続く老舗旅館「つるや」がありました。堀辰雄が滞在したことでも知られる文学的な場所です。現在も営業しており、外観だけでも往時の旅籠の雰囲気を感じられます。
補給とトイレ
補給
この区間は補給に全く困りません。旧軽井沢銀座に飲食店・カフェ・コンビニが多数あります。中軽井沢駅周辺にもスーパー(ツルヤ)やコンビニがあります。
中山道歩き全体を通じて最も補給に恵まれた区間の一つです。碓氷峠越えで消耗した体を、ここでしっかり回復させてください。
トイレ
旧軽井沢に公衆トイレ複数あり。中軽井沢駅にもトイレあり。全くトイレの心配がない区間です。
注意点
この区間に危険箇所はほぼありません。強いて言えば以下の点のみ。
・夏の休日は旧軽井沢銀座が混雑する。観光客の中を抜けるのに少し時間がかかる
・旧中山道の道標が分かりにくい箇所が1〜2箇所ある(別荘地内で道が分岐する)
・冬場は路面凍結あり。軽井沢は標高1000mで冬は氷点下が続く
宿泊情報
軽井沢は宿泊施設の宝庫です。予算と好みに応じて幅広い選択肢があります。
旧軽井沢(軽井沢宿):
・ホテル、旅館、ペンション多数
・つるや旅館(歴史ある老舗)
・万平ホテル(明治時代創業のクラシックホテル)
中軽井沢(沓掛宿):
・ペンション、B&B多数
・星野リゾート エリア(ハルニレテラス付近)
・比較的静かな環境で宿泊できる
碓氷峠を越えた日は軽井沢に泊まり、翌日にこの3km+沓掛〜追分を歩くパターンが定番です。
アクセスとエスケープルート
起点(軽井沢宿):
・JR北陸新幹線 軽井沢駅から旧軽井沢銀座まで徒歩約20分またはバス5分
・東京から新幹線で約1時間
終点(沓掛宿):
・しなの鉄道 中軽井沢駅から徒歩約10分
・軽井沢駅から1駅
エスケープルート:
3kmの完全平坦路なのでエスケープの必要はまずありません。仮に中止する場合も、軽井沢は交通の便が良く、すぐに駅に出られます。

管理人のひとこと
碓氷峠を越えてきた翌朝にこの区間を歩きました。前日の11kmが嘘のように、体が軽かったです。標高1000mの朝の空気は冷たくて澄んでいて、深呼吸するだけで体が喜んでいるのがわかりました。
旧軽井沢銀座はまだ朝早くて店が開いておらず、静かな通りを一人で歩きました。観光客がいない旧軽は、中山道の旧宿場の面影がかすかに見える。商店街のアスファルトの下に、かつて旅人が踏んだ土の道があると思うと不思議な感覚です。
中軽井沢に着くまでの30分ちょっと。木漏れ日の道を散歩して、高原の空気を吸って、それだけで十分に贅沢な3kmでした。碓氷峠のご褒美だと思って歩いてください。
碓氷峠のご褒美、高原の3km
軽井沢宿〜沓掛宿は3km・約35分の最短区間です。危険なし、補給豊富、標高1000mの涼しい高原。碓氷峠を越えてきた体を癒す、中山道のご褒美区間です。
急ぐ必要はありません。旧軽井沢でコーヒーを飲み、木漏れ日の道をゆっくり歩き、中軽井沢で次の計画を立てる。この3kmは「休む」ための道です。
関連リンク
・出発宿場:軽井沢宿

・到着宿場:沓掛宿

・前の区間:坂本宿〜軽井沢宿

・次の区間:沓掛宿〜追分宿


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