薩埵峠から富士山を望む|由比宿〜興津宿の東海道10km峠越えガイド

薩埵峠から見た富士山と駿河湾(東海道・由比宿〜興津宿) 区間ガイド

薩埵峠の展望台に立ったとき、眼下に広がる景色に息を呑みました。

青い駿河湾、その向こうに聳える富士山、足元を走る東名高速の車列。歌川広重が東海道五十三次「由井」で描いたのと同じ構図が、200年後の今もここにありました。

由比宿から興津宿への10kmは、東海道を歩く人なら絶対に外せない区間です。この記事では、薩埵峠越えの体力配分・補給戦略・ベストな時間帯まで、実際に歩いた経験をもとにお伝えします。


この区間を歩く前に知っておくべきこと

項目内容
距離10km
所要時間約2.5〜3時間(峠越えのため時速5kmでは歩けない)
難易度★★★☆☆(中級者向け)
最大標高差約90m(海面近くから薩埵峠展望台まで)
補給由比駅周辺で済ませる。峠道に自販機・コンビニなし
最終確認日2026年7月

広重が描いた絶景を見に行く

薩埵峠から見た富士山と駿河湾(東海道・由比宿〜興津宿)
薩埵峠からの絶景。富士山・駿河湾・東名高速が一望できる、東海道屈指のビュースポットです。

歌川広重の東海道五十三次「由井 薩た嶺」は、断崖絶壁の上から富士山と駿河湾を望む構図で知られています。

現在の薩埵峠展望台からは、ほぼ同じアングルで景色を見ることができます。違いは足元に東名高速と国道1号線のバイパスが走っていること。江戸時代は断崖に波が打ちつける難所だったこの場所が、今は日本有数の交通の要衝になっています。

晴れた日の午前中が撮影のベストタイミングです。午後は逆光になり、富士山が霞みやすくなります。


ルートと体力配分

由比宿から興津宿までの10kmを3つの区間に分けて考えると歩きやすいです。


前半:由比宿〜薩埵峠入口(約4km・平坦)

薩埵峠展望台への入口(石柱)
薩埵峠展望台への入口にある石柱。ここから峠道に入ります。

由比駅を出発し、旧東海道を東へ進みます。国道1号線と並行する形で、みかん畑の間を緩やかに進む平坦な道です。

途中に薩埵峠への分岐を示す看板が出てきます。ここまでは足慣らし程度で、体力は温存してください。


中盤:薩埵峠の登り〜展望台〜下り(約3km・峠越え)

薩埵峠の石碑(東海道)
薩埵峠の石碑。歌川広重の浮世絵にも描かれた東海道の名所です。

峠道に入ると、みかん畑の中を縫うように上り坂が続きます。標高差は約90mで、箱根や鈴鹿に比べれば小さいですが、勾配は急です。

展望台に着いたら景色を楽しみつつ、しっかり休憩を取ってください。下りは興津側に降りていきますが、道が細く滑りやすい箇所があります。膝に不安がある方は特に注意してください。


後半:薩埵峠出口〜興津宿(約3km・下り〜平坦)

峠を下りきると住宅街に出ます。ここから興津宿までは平坦な道で、体力的に楽な区間です。

興津駅が見えてきたらゴールはすぐそこです。


補給とトイレの戦略

この区間の最大の注意点は、**峠道に入ると補給が一切できない**ことです。

【出発前に済ませること(由比駅周辺)】
・ファミリーマート由比店(由比駅から徒歩3分)で水分・食料を購入
・由比駅のトイレを使用

【峠道(約3km)】
・コンビニなし、自販機なし、トイレなし
・水分は500ml以上持っていくこと。夏場は1L推奨

【興津側に降りた後】
・興津駅周辺に自販機・コンビニあり
・セブンイレブン興津中町店(興津駅から徒歩5分)


注意すべきポイント

薩埵峠の旧東海道(みかん畑の間を抜ける道)
薩埵峠の旧東海道。みかん畑の間を縫うように峠道が続きます。

■ 峠道の足元
石混じりの土の道で、雨上がりは滑ります。スニーカーでも歩けますが、溝のあるトレッキングシューズが安心です。

■ 国道1号線との交差
峠の前後で国道1号線を横断する箇所があります。交通量が多いため、横断歩道を使って安全に渡ってください。

■ 夏場の暑さ
峠道は日陰が少ない区間もあります。帽子・日焼け止め・十分な水分を持参してください。

■ 展望台付近の風
海に面した高台のため、強風が吹くことがあります。帽子が飛ばされないよう注意してください。


アクセスと区切り歩きガイド

薩埵峠への案内板(東海道ハイキングコース)
薩埵峠への案内板。ハイキングコースとして整備されており、道標に従えば迷いません。

薩埵峠は区切り歩きでピンポイントに訪れる人も多い区間です。

【最寄り駅】
・由比駅(JR東海道本線)— 出発地。静岡駅から約25分
・興津駅(JR東海道本線)— ゴール地。静岡駅から約15分

【おすすめのアクセスパターン】
・静岡駅から由比駅へ電車で移動 → 薩埵峠を越えて興津駅から帰る
・所要時間:由比駅〜興津駅 歩いて約2.5〜3時間
・半日で十分楽しめるコースです

【エスケープルート】
・峠道に入る前であれば由比駅に戻れます(徒歩20〜30分)
・峠を越えた後は興津駅まで約30分で出られます
・峠の途中にエスケープルートはありません。体調が悪い場合は引き返してください


宿泊情報

この区間自体は2.5〜3時間で歩けるため、日帰りが基本です。

前後に宿泊する場合は以下が便利です:
・ホテルクエスト清水(興津駅から電車で清水駅、駅前)
・静岡駅周辺のビジネスホテル(選択肢が豊富)

由比宿周辺には宿泊施設がほとんどありません。由比に前泊したい場合は事前に確認が必要です。


まとめ

由比宿〜興津宿の10kmは、東海道歩きのハイライトの一つです。

薩埵峠から見る富士山・駿河湾・東名高速の三層構造は、歩いた人だけが見られる東海道最高のご褒美です。

峠越え自体は標高差90mと控えめですが、補給ゼロ区間なので由比駅で準備を整えてから出発してください。晴れた午前中に歩けたら最高の一日になります。


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