日本橋〜板橋宿|旧中山道が商店街に化けた東京10kmを歩く

巣鴨地蔵通り商店街(中山道・日本橋〜板橋宿) 中山道

中山道の最初の一歩は、完全な「都市歩き」です。

日本橋を出発し、神田・本郷・巣鴨・庚申塚を経由して板橋宿へ。10kmの全行程が東京23区内。高層ビル・大学・商店街の中を歩く道に、「街道を歩いている」という実感はほとんどありません。

しかし巣鴨地蔵通り商店街に入った瞬間、空気が変わります。実はこの商店街、旧中山道がそのまま商店街になったもの。江戸時代の旅人が歩いた道の上で、今はおばあちゃんたちが買い物をしている。その事実を知ると、ただの商店街が「中山道」に見えてきます。

この記事では、中山道の起点・日本橋から最初の宿場・板橋宿までの10kmを、旧街道の痕跡を見つけながら歩くガイドとしてまとめます。

基本データ

巣鴨地蔵通り商店街(中山道・日本橋〜板橋宿)
巣鴨地蔵通り商店街。旧中山道がそのまま商店街になっています。
項目内容
区間日本橋 → 板橋宿
距離10km
所要時間約2.5時間(信号待ちが多いため時速4km換算)
難易度★★☆☆☆(完全な市街地歩き)
高低差本郷台地の緩やかな坂(標高差約20m)のみ
補給全区間で充実。困ることは一切ない
最終確認日2026年7月

旧中山道の痕跡を追って歩く

日本橋〜神田(0〜2km):五街道の起点を出発

神田明神の鳥居(中山道沿い)
神田明神の鳥居。中山道を歩く旅人が旅の安全を祈願しました。

日本橋の日本国道路元標から歩き始めます。中央通りを北へ進み、三越前を通過。この道は東海道と共通ですが、神田須田町付近で中山道は北西に分岐します。万世橋を過ぎたあたりから「中山道」としての旅が始まります。

神田明神の赤い鳥居が右手に見えます。中山道を歩く旅人が旅の安全を祈願した神社です。時間に余裕があれば参拝をおすすめします。

本郷〜白山(2〜5km):本郷追分と東大赤門

東京大学赤門(本郷・中山道沿い)
東京大学の赤門。中山道は本郷通りを経由するため赤門の前を通過します。

本郷通りを進むと、左手に東京大学の赤門が見えます。加賀藩上屋敷の門だったこの赤門は、中山道を歩く旅人にとっては「江戸の大名屋敷が並ぶエリア」の象徴でした。

約3.5km地点に本郷追分があります。ここが中山道と日光御成道(岩槻街道)の分岐点。高崎屋という老舗酒店の角に石碑があり、中山道歩きの重要なポイントです。直進すると日光御成道に入ってしまうため、ここで左方向(白山通り方面)に進んでください。

この区間は本郷台地のアップダウンがあります。湯島から本郷にかけて緩やかな上り坂(標高差約15m)。白山に下るときに再び下り。体感ではほとんど気にならないレベルです。

巣鴨(5〜7km):旧中山道が商店街に化けた場所

とげぬき地蔵尊・高岩寺(巣鴨・中山道)
とげぬき地蔵尊(高岩寺)。江戸時代から中山道の旅人も参拝しました。

白山を過ぎて巣鴨に入ると、突然「街道歩き」の雰囲気が出てきます。巣鴨地蔵通り商店街——「おばあちゃんの原宿」として有名なこの商店街は、実は旧中山道がそのまま商店街になったものです。

商店街の中にとげぬき地蔵(高岩寺)があります。江戸時代から参拝客で賑わったこの寺は、中山道の旅人にとっても道中の目印でした。和菓子店・甘味処が並び、休憩と補給に最適なエリアです。

巣鴨地蔵通りを抜けた先に庚申塚があります。江戸時代から旅人の目印となっていた庚申塚は、今も都電荒川線の停留場名として残っています。庚申塚を過ぎると板橋宿が近づき、旧街道の雰囲気が少しずつ濃くなっていきます。

庚申塚〜板橋宿(7〜10km):最初の宿場に到着

都電荒川線・庚申塚停留場(中山道・庚申塚)
庚申塚停留場。江戸時代から旅人の目印だった庚申塚のすぐ横を都電が走ります。

庚申塚を過ぎると住宅街と商店が混在するエリアに入ります。旧中山道の道幅がそのまま残っている細い通りを進み、やがて板橋宿(仲宿商店街)に到着します。日本橋から10km。中山道の最初の宿場に着きました。

板橋宿に着いたら、石神井川に架かる「板橋」を確認してください。「板橋」の地名の由来となった橋です。現在は石造りの親柱が復元されており、中山道最初の宿場到着の記念ポイントです。


補給・トイレ

この区間は東京23区内のため、補給に困ることは一切ありません。

・コンビニ:200〜500m間隔で存在。全区間で補給可能
・トイレ:コンビニ・駅・商業施設で随時利用可能
・食事:チェーン店から個人店まで無数にあり
・巣鴨地蔵通り商店街では和菓子・甘味処で補給+休憩が楽しめる

注意:次の板橋宿〜蕨宿の区間は9kmで、中盤から補給が薄くなります。板橋宿(仲宿商店街)で飲料と軽食を確保してから先に進んでください。


注意点

本郷追分の分岐:直進すると日光御成道に入ってしまう。左折(白山通り方面)を確認
信号待ち:都心部のため信号待ちが頻繁。実質の歩行時間は距離÷速度より30分程度長くなる
自転車との接触:歩道を走る自転車が多い。特に交差点付近で注意
巣鴨地蔵通りの混雑:縁日(4のつく日)や週末は非常に混む。大きなリュックを背負っている場合は気をつける
夏の暑さ:アスファルトの照り返しが強い。日陰が少ない区間もあるため、こまめな水分補給を


アクセス・エスケープルート

出発地(日本橋):
・東京メトロ半蔵門線・銀座線「三越前駅」B6出口(日本橋まで徒歩0分)
・東京メトロ東西線「日本橋駅」B12出口(徒歩2分)
・JR「東京駅」八重洲北口(徒歩8分)

到着地(板橋宿):
・都営三田線「板橋区役所前駅」(仲宿商店街まで徒歩3分)
・JR埼京線「板橋駅」(板橋宿北端まで徒歩5分)

エスケープルート:都心部のため、どこでも地下鉄・JRで離脱可能。体調不良時はすぐに最寄り駅に向かえます。
・神田駅(JR・約1km地点)
・本郷三丁目駅(東京メトロ・約3km地点)
・巣鴨駅(JR・都営三田線・約6km地点)
・庚申塚停留場(都電荒川線・約7km地点)


宿泊情報

10kmの日帰り区間のため宿泊は不要ですが、翌日に蕨宿方面へ進む場合は以下が便利です:
・板橋区内のビジネスホテル(ルートイン東京板橋区役所前 等)
・巣鴨・大塚エリアのビジネスホテル
・東京駅周辺から始める場合は前泊不要(朝の電車で三越前駅へ)


管理人のひとこと

中山道の最初の一歩は、正直なところ「街道を歩いている」実感がありませんでした。神田も本郷もただの大通り。旧街道の面影はほぼゼロです。

しかし巣鴨地蔵通り商店街に入った瞬間、空気が変わりました。「この商店街が中山道なのか」と気づいたとき、それまで退屈だった都市歩きに意味が生まれました。庚申塚の都電を眺めながら「これから六十九次の旅が始まるんだ」という覚悟が固まった瞬間を覚えています。

板橋宿の仲宿商店街で補給を整え、石神井川の「板橋」を確認して先に進む。次の蕨宿からが本格的な中山道歩きのスタートです。この10kmは「覚悟を決めるための助走」だと思ってください。


まとめ

日本橋〜板橋宿は10kmの完全市街地区間です。補給・トイレ・エスケープには全く困りません。本郷追分の分岐だけ注意すれば、あとは巣鴨地蔵通りと庚申塚を楽しみながら歩けます。

「旧中山道が商店街になっている」という事実を知った上で歩くと、ただの都市歩きが「街道の始まり」に変わります。板橋宿で補給を整えて、次の蕨宿に向かってください。


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