中山道で最も辛かった区間はどこか。迷わず和田峠と答えます。

22km。標高差800m。途中の補給ゼロ。和田宿を出たら下諏訪宿まで一切の商店も自販機もありません。標高1600mの峠を越え、反対側に延々と下る。中山道六十九次の中で、距離・標高差・補給の薄さすべてにおいて最大の難所です。
7月に歩きました。頂上に着いたとき脚が震えて座り込みました。でも古峠ルートのブナ林は美しく、下諏訪の温泉に飛び込んだ瞬間は人生最高でした。この記事では、和田峠を確実に越えるための準備と戦略をお伝えします。
和田峠越えの基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区間 | 和田宿 → 下諏訪宿 |
| 距離 | 22km |
| 所要時間 | 約7〜8時間(時速3km換算+休憩) |
| 難易度 | ★★★★★(中山道最難) |
| 最高地点 | 和田峠 標高約1600m |
| 標高差 | 登り約800m・下り約850m |
| 補給 | 全区間なし(和田宿で全て準備) |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
出発前に必ず準備すること
和田峠は準備が全てです。峠道に入ったら引き返すことは現実的ではありません。
水分:最低1.5L。夏場は2L以上。途中で補給は一切できません。
食料:おにぎり3〜4個分のカロリー。行動食(チョコ・ナッツ等)も必携。
靴:トレッキングシューズ必須。スニーカーでは石畳と泥道で足を痛めます。
雨具:山の天気は変わりやすい。レインウェア上下を持参。
熊鈴:必携。和田峠周辺は熊の生息域です。
ヘッドライト:万が一日没までに下山できなかった場合の保険。
出発時刻:朝6時台を推奨。7〜8時間かかるため、午後の早い時間に下諏訪に着くには早朝出発が必須です。和田宿に前泊して翌朝出発が最も確実なパターンです。
ルートと体力配分
和田宿〜三十丁(約5km・緩やかな登り)

和田宿を出て国道142号沿いに北へ進みます。しばらくは舗装路で、交通量のある道です。唐沢一里塚を過ぎると徐々に山の中に入っていきます。この区間はまだ楽です。体力を温存してください。
三十丁〜和田峠頂上(約7km・本格的な登り)
ここからが本番です。未舗装の山道になり、標高がぐんぐん上がります。接待(もてなし)という地名の場所に東屋があり、休憩できます。かつてここで旅人に茶や食事を振る舞っていたことが地名の由来です。
標高1400mを超えるとブナやカラマツの林に変わり、空気が涼しくなります。最後の登りを終えると、和田峠の頂上(標高約1600m)に到着します。広場になっており、ここで大休止を取ってください。
和田峠〜古峠(約2km・稜線歩き)

和田峠から古峠(旧中山道の本来の峠道)を経由するルートが美しくおすすめです。ブナの原生林の中を歩く稜線は、中山道で最も美しい区間の一つです。疲労を忘れるほどの景色ですが、足元は根っこや石が多いので注意してください。
古峠〜下諏訪宿(約8km・長い下り)

古峠から下諏訪側へ延々と下ります。標高差約850mを8kmで下るため、膝への負担が大きいです。トレッキングポールがあれば膝の負担を軽減できます。
下りの後半は「木落し坂」付近を通過し、最後に諏訪大社下社秋宮の前に出ます。ここまで来れば下諏訪宿はすぐそこ。温泉が待っています。
危険箇所と注意点

・熊:和田峠周辺は熊の目撃情報あり。熊鈴必携、単独行は特に注意
・道迷い:分岐が数箇所あり、標識を見落とすと迷います。地図アプリ併用推奨
・天候急変:標高1600mのため、夏でも雷雨・低温のリスクあり
・日没:7〜8時間かかるため、出発が遅れると日没に追われます
・膝の故障:下り8kmが膝を壊しやすい。無理なペースは禁物
アクセスとエスケープルート
出発地(和田宿)の最寄り駅:
・和田バス停(長和町巡回バス)— 上田駅から約1時間
・車の場合は和田宿周辺に駐車可能
到着地(下諏訪宿)の最寄り駅:
・下諏訪駅(JR中央本線)— 新宿から特急あずさで約2.5時間
エスケープルート:
・和田峠頂上まで来てしまったら、引き返すより下諏訪に下る方が早い
・峠頂上に車道(ビーナスライン)が通っているため、緊急時はそこでヒッチハイクまたは救助要請が可能
・携帯電話の電波は峠頂上付近で入る場合あり(docomo)。谷間では圏外
宿泊情報
前泊(和田宿):
・和田宿周辺に民宿あり(要事前確認・選択肢少ない)
・長門牧場方面にペンションあり
・前泊して翌朝早朝出発が推奨パターン
到着後(下諏訪宿):
・下諏訪温泉の旅館・民宿(峠越え後の温泉は格別)
・聴泉閣かめや(諏訪大社秋宮前・歴史ある宿)
・下諏訪駅周辺にビジネスホテルは少ない。上諏訪駅まで1駅移動すると選択肢が増える
管理人のひとこと
和田峠は中山道で最も辛かった区間です。22km、標高差800m、補給ゼロ。
頂上に着いたとき、脚が震えて座り込みました。7月でしたが峠の上は涼しく、持ってきたおにぎりを食べながら来た道を振り返りました。
下りの古峠ルートは美しいブナ林で、疲労を忘れるほどでした。下諏訪の温泉に直行したのは言うまでもありません。峠越え後の温泉は、人生で最も贅沢な入浴体験でした。
まとめ
和田峠は中山道最大の難所です。22km・標高差800m・補給ゼロ。前泊して早朝出発、水2L・食料・雨具・熊鈴を準備し、天候を確認してから挑んでください。
辛いですが、古峠のブナ林と下諏訪の温泉が待っています。中山道歩きで最も記憶に残る一日になるはずです。
関連リンク
・出発宿場:和田宿

・到着宿場:下諏訪宿



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