芦田宿〜長久保宿|400年の松並木が待つ笠取峠を越える中山道7km

笠取峠の松並木(中山道・芦田宿〜長久保宿間) 中山道
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中山道に残る松並木の中で、最も「歩いて気持ちいい」のは笠取峠の松並木だと思います。

笠取峠の松並木(中山道・芦田宿〜長久保宿)
笠取峠の松並木。道の両側にアカマツの大木が並ぶ中山道屈指の景観です。

芦田宿から長久保宿まで7km。笠取峠(標高約900m)を越える区間です。和田峠や碓氷峠のような大峠ではありません。標高差は登り約150m・下り約250m。2時間弱で越えられる小峠です。しかしこの峠には、江戸時代から続く松並木がそのまま残っています。

峠を越えて長久保宿に下りると、中山道でも珍しいL字型の宿場構造が迎えてくれます。短いけれど見どころが凝縮された7kmです。


基本データ

項目内容
区間芦田宿 → 長久保宿
距離7km
所要時間約1時間45分(峠区間は時速4km換算)
難易度★★☆☆☆(小峠・急坂なし)
最高地点笠取峠 標高約900m
標高差登り約150m・下り約250m
補給区間内なし。芦田宿で確保
トイレ笠取峠頂上付近に公衆トイレあり
最終確認日2026年7月

笠取峠の松並木

この区間の主役は松並木です。芦田宿を出て登り始めると、やがて道の両側にアカマツの大木が現れます。これが「笠取峠の松並木」— 長野県の天然記念物に指定された、中山道を代表する景観の一つです。

江戸幕府が中山道の並木として植えた松が、400年近く経った今も残っています。かつては数百本あった松も現在は約150本ほどですが、道の両側に松が立ち並ぶ区間は十分に長く、旧街道の雰囲気を存分に味わえます。

松並木の下を歩くと、木漏れ日が地面に落ちて明暗のパターンを作ります。夏は日差しを松の枝が遮り、涼しい。秋は松の間から紅葉した山が見える。この松並木を歩くためだけに、この区間に来る価値があります。


ルートの流れ


芦田宿〜笠取峠頂上(約3km・登り)

芦田宿を出ると、すぐに緩やかな登りが始まります。集落を抜けると国道142号の旧道に入り、松並木区間に差し掛かります。勾配は緩やかで、登っている感覚は薄いです。気づいたら峠頂上に着いている、そんな道です。

笠取峠から望む景色
望月宿〜芦田宿間から望む立科の雄大な景色

笠取峠の頂上は開けた場所で、展望台と公衆トイレがあります。ここからの眺望は限られますが、一息入れる場所としては最適です。


笠取峠頂上〜長久保宿(約4km・下り)

峠を越えると長久保宿に向かって下ります。下りは登りより勾配がやや急で、標高250mを4kmで下ります。道は概ね歩きやすく、住宅地に入ると長久保宿の入口です。

下り始めると遠くに依田川沿いの谷が見え始めます。長久保宿はその谷間に位置しています。山を越えて谷に下りる——中山道の峠越えの基本パターンをコンパクトに体験できる区間です。


補給とトイレ


補給

区間内にコンビニ・商店はありません。芦田宿にも商店は限られるため、前日までに望月宿や立科町方面で補給しておくのが安全です。7kmで2時間弱の行程なので、水500ml〜1Lと軽い行動食があれば十分です。


トイレ

笠取峠頂上付近に公衆トイレがあります。芦田宿内にもトイレあり。長久保宿到着後は宿場内の公衆トイレが利用できます。この区間は峠にトイレがあるため、他の峠区間より安心です。


その他の見どころ


笠取峠の一里塚

峠道の途中に一里塚跡があります。松並木の中にひっそりと立つ塚は、江戸時代の街道の「距離標」。松並木と一里塚が同時に見られるポイントです。


長久保宿のL字型町並み

到着地の長久保宿は、中山道でも珍しいL字型の宿場構造を持っています。通常の宿場は直線的ですが、長久保宿は依田川と依田川に合流する大門川の合流点に位置するため、直角に曲がる構造になりました。到着時にこのL字を体感してください。


注意点

笠取峠は小峠で危険箇所は少ないですが、以下に注意してください。

・国道142号と旧道が分岐・合流する箇所あり。旧道への入口を見落とさないように
・松並木区間は道が細い箇所がある。対向の自転車に注意
・下り後半は住宅地の車道を歩く区間がある。交通量注意
・冬場は峠付近で路面凍結の可能性あり


宿泊情報

7km・2時間弱の短い区間なので、ここ単独で宿泊計画を立てることは少ないです。

長久保宿:
・民宿あり(要事前予約。選択肢少ない)
・長久保宿に泊まって翌日に長久保〜和田を歩き、和田宿に前泊→和田峠越えという計画が定番

芦田宿方面:
・立科町方面にペンション・旅館あり
・車利用の場合は白樺湖方面の宿も選択肢


アクセスとエスケープルート

起点(芦田宿):
・芦田バス停(長和町巡回バス)— 佐久平駅方面からバスあり(本数少ない)
・車の場合は芦田宿周辺に駐車可能

終点(長久保宿):
・長久保バス停(長和町巡回バス)— 上田駅方面へバスあり
・バスの本数が少ないため時刻表を事前に確認

エスケープルート:
笠取峠頂上に車道が通っているため、峠まで登れば万が一の離脱は可能です。ただし通行量は少なく、タクシーは呼びにくい地域です。7kmの小峠なので、通常は途中離脱を考える必要はありません。


笠取峠の旧中山道(峠道の様子)

管理人のひとこと

松並木に入った瞬間、風が変わりました。それまで日差しの中を歩いていたのが、松の枝が作る影の中に入った途端、温度が2〜3度下がった感覚。見上げると松の幹が左右に連なり、その間から空が見えていました。

中山道の並木道は各地に残っていますが、笠取峠の松並木は「道そのもの」になっている感じがします。松が風景の一部ではなく、松が道を形作っている。歩いている自分も、その「道の一部」になるような不思議な感覚でした。

長久保宿に下りて、L字に曲がる宿場の角に立ったとき、「峠を越えたんだ」と実感しました。小さな峠ですが、越えた後の満足感は確かにありました。


松の下を歩き、小峠を越える7km

芦田宿〜長久保宿は7km・約2時間の笠取峠越えです。中山道の峠としては穏やかで、体力に自信がない方でも安心して越えられます。

見どころは笠取峠の松並木。400年前に植えられた松の下を歩く時間は、中山道歩きの中でも特別な体験です。天気の良い日に、ゆっくり松並木を味わいながら歩いてください。


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