芦田宿は笠取峠の入口です。この宿場を出た瞬間から、登りが始まります。

中山道第26宿・芦田宿。本陣1軒・旅籠6軒の小さな宿場ですが、一つ特筆すべきものがあります。土屋本陣が現存していることです。中山道の本陣建築がそのまま残っている場所は非常に少なく、芦田宿の土屋本陣はその貴重な一つです。
望月宿から歩いてきた旅人がここで最後の休息を取り、笠取峠に向けて態勢を整えた場所。今もその「準備拠点」としての性格は変わりません。
芦田宿の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 宿場番号 | 中山道第26宿 |
| 日本橋からの距離 | 約176.5km |
| 所在地 | 長野県北佐久郡立科町芦田 |
| 本陣 | 1軒(土屋本陣・現存) |
| 脇本陣 | 1軒 |
| 旅籠 | 6軒 |
| 最寄り駅 | 佐久平駅(北陸新幹線)からバス約50分 |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
土屋本陣 — 現存する中山道の本陣建築
芦田宿最大の見どころは土屋本陣です。江戸時代の本陣建築がほぼそのまま残っている全国的にも貴重な建物で、長野県宝に指定されています。
本陣とは大名や幕府役人が宿泊する施設で、一般の旅人が泊まる旅籠とは格式が異なります。門構え、玄関の式台、上段の間といった本陣特有の構造がそのまま残されており、「殿様が泊まった部屋」を実際に見ることができます。
外観は通り沿いから見学可能です。内部見学は事前予約が必要な場合があるため、見学希望の場合は立科町教育委員会に問い合わせてください。
宿場の現在
芦田宿は約300mの直線的な宿場です。現在は農村の中に古い建物が点在する静かな場所で、観光客はほぼいません。


宿場の通り
中山道が宿場のメインストリートとしてそのまま使われています。通りの幅、両側の区画、本陣の位置関係は江戸時代からほとんど変わっていません。古い民家の板壁や石垣が所々に残り、農村の生活の中に宿場が溶け込んでいます。
高札場跡
宿場の中ほどに高札場跡の碑があります。ここが宿場の中心であったことを示しています。
笠取峠への位置関係
芦田宿の西端を出ると、すぐに笠取峠への登りが始まります。宿場と峠の距離感が近く、「峠の入口の宿場」という性格が歩いてみるとよくわかります。
補給とトイレ
補給
芦田宿内に商店は限られます。自販機が数台ある程度です。コンビニはありません。
しっかりした補給は望月宿または佐久平駅方面で事前に済ませてください。特に笠取峠越え+長久保〜和田と続ける場合、ここが最後の準備ポイントです。水分と行動食を確認してから出発してください。
トイレ
宿場内に公衆トイレがあります。笠取峠頂上にもトイレがあるため、峠越え中のトイレの心配は少ないです。
宿泊情報
芦田宿内に宿泊施設は限られます。
芦田宿周辺:
・立科町内にペンション・民宿あり(要事前予約)
・白樺湖方面にリゾートホテル・ペンション多数
前泊パターン:
・望月宿に泊まって翌日に望月→芦田→笠取峠→長久保と歩く計画が定番
・芦田宿に泊まる場合は翌朝すぐに峠に取りかかれるメリットあり
アクセスとエスケープルート
最寄り交通:
・芦田バス停(立科町巡回バス)— 佐久平駅方面からバスあり
・バスの本数は少ない。事前に時刻表を確認
区切り歩きでの利用:
・望月宿〜芦田宿(5km)を歩いて芦田で終了
・翌日に芦田〜笠取峠〜長久保を歩くパターン
・佐久平駅を拠点にバスで往復が便利

管理人のひとこと
望月宿から歩いてきて芦田宿に着いたとき、土屋本陣の門が目に入りました。通りの中に突然、格式のある門構えが現れる。周囲は農家の建物なので、そのコントラストが印象的でした。
門の前に立って建物を見上げたとき、「ここに大名が泊まった」という事実の重さを感じました。こんな小さな農村の宿場に、加賀百万石の殿様が泊まったことがある。中山道の宿場が担っていた公的機能の大きさを、建物が物語っています。
芦田宿は15分もあれば端から端まで歩けます。しかし土屋本陣の前で立ち止まる時間だけは確保してください。中山道に残る数少ない本陣建築を見られる貴重な場所です。
笠取峠に備える小さな宿場
芦田宿は本陣1軒・旅籠6軒の小さな宿場です。しかし現存する土屋本陣と、笠取峠の登り口という位置が、この宿場に独自の価値を与えています。
補給は限られるため、望月宿で準備を整えてから来てください。土屋本陣を見学し、笠取峠に向けて気持ちを切り替える。それがこの宿場での正しい過ごし方です。
関連リンク
・前の宿場:望月宿

・次の宿場:長久保宿

・前の区間:望月宿〜芦田宿

・次の区間:芦田宿〜長久保宿(笠取峠越え)



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