6km。距離だけ見れば大したことはありません。しかしこの6kmに東海道三大難所の一つが詰まっています。

金谷宿から日坂宿への道。金谷坂の石畳、菊川坂の石畳、小夜の中山峠、七曲りの急坂下り。ほぼ全区間が坂です。平坦な場所はスタート直後の数百メートルだけ。それ以降は登り続けるか、下り続けるかのどちらかです。
ただし景色は東海道で最も印象に残る区間の一つです。石畳の道、見渡す限りの茶畑、峠からの眺望。体力は消耗しますが、歩いた後の達成感は格別です。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区間 | 金谷宿 → 日坂宿 |
| 距離 | 6km |
| 所要時間 | 約1.5〜2時間(坂でペースが落ちるため時速3〜4km換算) |
| 難易度 | ★★★★☆(短距離だが急坂連続) |
| 標高差 | 登り約200m・下り約150m |
| 補給 | 区間前半に自販機あり。後半は補給なし |
| トイレ | 金谷坂入口付近・小夜の中山峠にあり |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
坂が連続する6km — 区間の流れ
金谷坂の石畳(0〜1km・急登)
金谷宿を出るとすぐに登りが始まります。最初に現れるのが「金谷坂の石畳」。約400mにわたって旧東海道の石畳が復元されており、江戸時代の旅人と同じ道を歩けます。
石畳は丸石を並べたもので、雨天時は非常に滑りやすいです。晴れていても靴底が石に引っかかりやすく、足首を捻らないよう注意してください。登り勾配もきつく、スタート直後から体力を使います。
菊川坂と間の宿(1〜2.5km・登り続く)
金谷坂を登り終えると一旦道が落ち着きますが、すぐに菊川坂に入ります。ここも石畳が残る急坂です。菊川の集落は「間の宿」で、旅人が休息を取った場所。現在は小さな集落ですが、ここで水分補給しておくと後半が楽になります。
小夜の中山峠(2.5〜4km・核心部)
菊川坂を越えると、いよいよ小夜の中山(さよのなかやま)に入ります。東海道三大難所の一つに数えられる区間で、茶畑が広がる尾根筋の道を登り続けます。
峠道の途中に「扇屋」という茶屋が営業しています(不定休・要確認)。名物の「子育飴」は小夜の中山に伝わる伝説に由来する飴で、ここでしか買えません。休憩を兼ねて立ち寄ってください。
小夜の中山峠の最高地点付近からは、晴れた日に茶畑越しの眺望が楽しめます。遠くに粟ヶ岳の「茶」の文字が見える場所もあります。
七曲りの下り(4〜6km・急坂下り)
峠を越えると日坂宿に向かって急坂を下ります。「七曲り」と呼ばれる九十九折の道で、膝への負担が大きい区間です。下り坂は登りより膝に来るので、ストックがあれば使ってください。
七曲りを下りきると、小さな宿場町・日坂宿に到着します。急に道が平坦になり、家並みが現れた瞬間の安堵感は格別です。
補給とトイレ — 事前準備が全て
補給
この区間は補給が極端に薄いです。金谷宿を出たら日坂宿に着くまで、コンビニはありません。
・金谷坂入口付近に自販機あり(ここが最後の確実な補給点)
・諏訪原城ビジターセンター(少し寄り道)に自販機あり
・小夜の中山「扇屋」で飲み物購入可能(営業日注意)
・水は最低500ml、夏場は1L以上推奨
トイレ
・金谷坂入口付近に公衆トイレあり
・小夜の中山峠付近にトイレあり
・それ以外の区間にはトイレがない
出発前に必ずトイレを済ませてください。6kmで2時間弱ですが、峠区間にトイレがないことを覚えておいてください。

この区間の見どころ
・金谷坂の石畳 — 約400mの復元石畳。旧東海道の雰囲気を最も感じる場所
・菊川坂の石畳 — 金谷坂よりワイルドな石畳
・小夜の中山 — 東海道三大難所。茶畑が広がる尾根筋の道
・扇屋の子育飴 — 小夜の中山の伝説に由来する名物
・茶畑の風景 — 掛川・金谷地区は日本有数の茶産地。一面の茶畑は壮観

注意・危険箇所
・石畳の滑り:雨天・雨天後は石畳が非常に滑りやすい。転倒注意。トレッキングシューズ推奨
・夏の暑さ:茶畑区間は日陰がほとんどない。夏場は帽子・日焼け止め必須
・旧道の分岐:金谷坂・菊川坂の入口が国道からの分岐でわかりにくい場合あり。地図アプリ推奨
・膝への負担:七曲りの下りは膝に来る。ストックがあると安心
宿泊情報
区間内に宿泊施設はありません。前泊は島田宿・金谷駅周辺、到着後は掛川駅周辺が便利です。
金谷方面(出発地):
・島田駅周辺にビジネスホテルあり
・金谷駅は宿泊施設少ない
日坂宿到着後:
・日坂宿〜掛川宿は約7km。掛川駅周辺にビジネスホテル多数
・掛川城下の宿泊施設も選択肢
アクセスとエスケープルート
起点(金谷宿):
・JR東海道本線 金谷駅(宿場の中心に位置)
・静岡駅から約30分、浜松駅から約40分
終点(日坂宿):
・最寄り駅なし。日坂宿から掛川駅まで約7km(徒歩1.5時間)
・日坂からバスで掛川駅へ移動可能(本数少ない)
エスケープルート:
・峠道に入ると途中離脱は困難。引き返すか、日坂まで進むかの二択
・小夜の中山付近に車道が通っているため、緊急時はそこからタクシーを呼べる可能性あり
管理人のひとこと
金谷坂の石畳に足を乗せた瞬間、靴底に丸石のゴツゴツした感触が伝わりました。歩き慣れたアスファルトとは全く違う。一歩一歩、足の置き場を考えながら登る。これが江戸時代の「道」かと思うと、急に400年の時間が縮まった感覚でした。
小夜の中山に入ると、一面の茶畑の中を歩きます。5月の新茶の時期で、茶の葉が鮮やかな緑色に輝いていました。急勾配で息が上がりますが、振り返ると茶畑の緑が遠くまで続いている。この景色だけで、ここまで登ってきた甲斐があると感じました。
七曲りを下りきって日坂宿の家並みが見えたとき、「終わった」と声に出ました。6km、2時間弱。距離は短いのに、体は明らかに消耗していた。東海道三大難所の名は伊達じゃありません。
6kmに詰まった東海道の難所
金谷宿〜日坂宿は6kmの短距離ですが、石畳と急坂が連続する東海道屈指の難所です。補給が薄く、日陰がなく、逃げ場もない。しかし石畳と茶畑と峠越えの達成感は、東海道歩きの中でも特に記憶に残る体験になります。
水を持ち、トイレを済ませ、天気を確認してから挑んでください。できれば晴れた日に。茶畑の景色は晴天でこそ輝きます。
関連リンク
・出発宿場:金谷宿

・到着宿場:日坂宿

・前の区間:島田宿〜金谷宿

・次の区間:日坂宿〜掛川宿

コメント