四日市宿から石薬師宿は、東海道43番目の宿場から44番目の宿場へと続く11kmの区間です。日永追分(東海道と伊勢街道の分岐点)を通過し、杖衝坂を越えて石薬師宿に至るルートです。前半は市街地、後半は田園風景と丘陵地帯に変わり、景観の変化を楽しめます。杖衝坂は東海道の難所として知られ、日本武尊伝説と芭蕉の句碑が残る歴史的な坂道です。本記事では補給・トイレ・見どころなど、実際に歩く方のための実用情報をお伝えします。
本記事は実際に徒歩で通過した際の情報や作成時点での最新情報をもとに作成しています。本記事は区間内の実在情報のみを精査して掲載しています。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区間 | 四日市宿 → 石薬師宿 |
| 距離 | 11.0km(確定値) |
| 所要時間 | 約2.2時間(時速5km換算) |
| 難易度 | ★★★☆☆ |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
ルート概要
四日市宿の西端を出発し、旧東海道を南西に進みます。
約3km地点で日永追分に到着します。ここは東海道と伊勢街道(参宮道)の分岐点です。
日永追分を過ぎると四日市あすなろう鉄道沿いに南下し、内部(うつべ)エリアを通過します。
約7km地点の采女(うねめ)を過ぎると田園風景に変わり、道は緩やかに登り始めます。
約9km地点で杖衝坂(つえつきざか)に差し掛かります。東海道屈指の急坂です。
杖衝坂を越えると石薬師宿の領域に入り、石薬師寺が見えてきます。
見どころ
■ 日永追分(約3km地点)
東海道と伊勢街道(参宮道)の分岐点です。
大きな道標と鳥居が立っており、伊勢参宮の旅人はここで東海道と別れて伊勢神宮へ向かいました。
追分の名水として知られる湧水があり、旅人が喉を潤した場所です。
東海道歩きにおける重要な地理的ポイントで、必ず確認しておきたい場所です。
■ 杖衝坂(つえつきざか)(約9km地点)
東海道の難所として知られる急坂です。
日本武尊が東征の帰路、この坂で疲労のあまり杖をついて登ったという伝説が名前の由来です。
松尾芭蕉が「歩行(かち)ならば杖つき坂を落馬かな」と詠んだ句碑があります。
芭蕉はこの坂で実際に落馬したと伝えられています。
距離は短いですが勾配がきつく、東海道歩きでは記憶に残る坂道です。
■ 采女一里塚跡(約7km地点)
日本橋から92里目の一里塚跡です。
ここを過ぎると市街地が途切れ、田園風景に変わっていきます。
歩くための実用情報
補給ポイント(コンビニ・自販機)
■ コンビニ(四日市宿〜日永追分間・0〜3km地点)
四日市市街地の延長でコンビニが点在しています。
出発後3km程度は補給の心配はありません。
■ コンビニ(日永〜内部エリア・3〜5km地点)
日永追分を過ぎても住宅地が続くため、コンビニがあります。
■ 自販機(采女〜杖衝坂・7〜9km地点)
田園地帯に入るとコンビニは減りますが、自販機は点在しています。
■ 石薬師宿エリア(10〜11km地点)
石薬師宿内は小さな集落のためコンビニはほぼありません。
▶ 補給戦略:後半(7km以降)は補給が手薄になります。
日永追分〜内部エリア(3〜5km地点)で確実に補給を済ませてください。
石薬師宿は小規模宿場のため、宿場内での補給には期待しないでください。
トイレ情報
■ コンビニ各店(前半0〜5km地点)
四日市市街地のためコンビニでのトイレ利用が可能です。
■ 日永追分付近
追分公園付近にトイレが設置されています。
■ 後半(5〜11km地点)
田園地帯に入るとトイレ施設が少なくなります。
▶ トイレ戦略:日永追分(約3km地点)か内部エリア(約5km地点)のコンビニで必ず利用しておいてください。
後半は利用できる施設が限られます。
休憩スポット
【日永追分(約3km地点)】
追分の道標や鳥居を見ながら休憩できます。
湧水もあり、水の補給も可能です。
区間の序盤ですが、見どころを兼ねた休憩ポイントとして有効です。
【杖衝坂の上(約9.5km地点)】
急坂を登り切った場所で一息つけます。
芭蕉の句碑を見ながら達成感に浸れるポイントです。
【コンビニのイートインスペース(前半)】
冷暖房完備で座って休めるため、天候を問わず利用できます。
高低差
この区間は前半が平坦、後半に上り坂があります。
・四日市宿〜日永追分(0〜3km):平坦(標高5〜10m)
・日永追分〜采女(3〜7km):ほぼ平坦からやや上り(標高10〜30m)
・采女〜杖衝坂(7〜9km):緩い上り(標高30〜60m)
・杖衝坂(約9km):急坂(標高60m → 80m程度・距離約200mで20m上昇)
・杖衝坂〜石薬師宿(9〜11km):やや下って台地上を進む(標高60〜70m)
杖衝坂は短いですが勾配がきつく、ここが区間の核心部です。
それ以外は緩やかで体力的な負担は小さいです。
道の特徴
【四日市宿西端〜日永追分(0〜3km地点)】
四日市市街地を南下します。
旧東海道は住宅街の中を通り、四日市あすなろう鉄道の線路に沿って進みます。
日永追分の手前から道が細くなり、旧街道の雰囲気が出てきます。
【日永追分〜内部(3〜5km地点)】
追分を過ぎても住宅地が続きます。
四日市あすなろう鉄道の踏切を何度か渡ります。
歩道は整備されている区間が多いですが、一部で車道と共用の箇所があります。
【内部〜采女〜杖衝坂(5〜9km地点)】
住宅地を抜けると田園風景に変わります。
国道1号とは別ルートで旧東海道が通っており、静かな道が続きます。
杖衝坂に近づくと舗装路の急な上り坂になります。
【杖衝坂〜石薬師宿(9〜11km地点)】
杖衝坂を登り切ると台地上に出ます。
のどかな集落を抜けて石薬師宿に入ります。
旧東海道の雰囲気が色濃く残る区間です。
宿泊ポイント
【四日市宿エリア(出発地点)】
近鉄四日市駅周辺にビジネスホテルが豊富です。
出発前泊には最適です。
【石薬師宿エリア(ゴール地点)】
石薬師宿は小規模な宿場のため、宿泊施設はほぼありません。
次の庄野宿を経由して鈴鹿市中心部まで進むか、四日市に戻る必要があります。
▶ 宿泊戦略:石薬師宿で終了する場合は四日市に戻るか、
庄野宿まで歩き進めて(約2.5km)鈴鹿市中心部のホテルを利用してください。
注意・危険区間
【杖衝坂(約9km地点)】
東海道屈指の急坂です。
距離は約200mと短いですが、勾配がきつく足元に注意が必要です。
特に雨天時は路面が滑りやすくなります。
無理せずゆっくり登ってください。
【後半の補給空白(7〜11km地点)】
田園地帯に入るとコンビニがなくなります。
前半で確実に補給を済ませてから後半に入ってください。
夏場は特に水分切れに注意してください。
【旧東海道の分かりにくさ(采女〜杖衝坂)】
田園地帯で旧東海道と農道が入り組んでいる箇所があります。
道標や地図アプリで確認しながら進んでください。
区間評価
| 項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 総合難易度 | ★★★☆☆ | 杖衝坂があるため中程度。それ以外は平坦で楽です |
| 補給充実度 | ★★★☆☆ | 前半は充実。後半は手薄になるため事前補給が必須です |
| トイレ安心度 | ★★★☆☆ | 前半はコンビニで安心。後半は施設が限られます |
| 歩道安全性 | ★★★★☆ | 旧東海道中心のため交通量は少なめ。杖衝坂の急勾配に注意 |
| ナビの分かりやすさ | ★★★☆☆ | 田園地帯で迷いやすい箇所あり。日永追分は明確です |
| 景観 | ★★★★☆ | 日永追分・杖衝坂・田園風景。変化に富んだ景観が楽しめます |
| 疲労度 | ★★★☆☆ | 杖衝坂で一時的に脚に来ます。全体としては中程度です |
| 高低差 | ★★★☆☆ | 杖衝坂(短いが急勾配)がこの区間の核心部です |
実際に歩いた管理人のひとこと
この区間のハイライトは2つ。日永追分と杖衝坂です。
日永追分に立つと、東海道と伊勢街道が分かれる「Y字路」を目の前にします。
江戸時代、お伊勢参りの旅人はここで東海道から外れて南下していった。
東海道を京都に向かう自分と、伊勢に向かう旅人が別れる場所。
道標の「右 京いせみち」の文字に、旅の分岐を感じました。
杖衝坂は「東海道の名坂」として聞いていましたが、実際に登ると納得します。
短いけれどきつい。日本武尊が杖をついたという伝説に「そりゃそうだ」と思います。
芭蕉が落馬したのも無理はない。馬ですら苦しい坂です。
坂を登り切った時の達成感と、台地上に広がるのどかな景色は格別です。
四日市の都市部から一気に田園風景に変わる、この区間の景観の変化は歩いていて飽きません。
石薬師宿に入ると「小さな宿場」の静けさに包まれます。
桑名・四日市の大宿場とは全く違う、東海道の素朴な姿がここにあります。
まとめ
四日市宿〜石薬師宿は11kmの区間で、日永追分(東海道と伊勢街道の分岐点)と杖衝坂(東海道屈指の急坂)が見どころです。
前半は四日市市街地で補給充実、後半は田園地帯で補給が手薄になるため、日永追分〜内部エリア(3〜5km地点)で確実に補給してください。
杖衝坂は距離200m程度と短いですが急勾配です。雨天時は特に注意してください。
都市部から田園、そして歴史ある坂道へと変化する、東海道の多彩さを体感できる区間です。
街道現地情報募集
街道歩きに役立つ現地情報を募集しています。通行止め・補給・トイレ・危険箇所など、お気づきの情報をお寄せください。

関連リンク
・出発宿場:四日市宿

・到着宿場:石薬師宿(鋭意作成中)
・前の区間:桑名宿〜四日市宿

・次の区間:石薬師宿〜庄野宿(鋭意作成中)


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