御油宿(ごゆしゅく)は、東海道五十三次の35番目の宿場で、現在の愛知県豊川市御油町に位置します。
本陣2軒(最盛期は4軒)・旅籠62軒の大規模宿場で、東海道でも上位に数えられる賑わいを見せた宿場です。
歌川広重の浮世絵「御油 旅人留女」に描かれたように、旅人を強引に引き留める「留女(とめおんな)」の客引きで全国的に有名でした。
また、次の赤坂宿までわずか1.7kmと東海道で最も宿場間距離が短く、両宿場間の客引き合戦は東海道名物でした。
この記事では、御油宿を実際に徒歩で通過する前提で、補給・トイレ・休憩・見どころを実用情報としてお伝えします。
本記事は実際に徒歩で通過した際の情報や作成時点での最新情報をもとに作成しています。本記事は宿場町エリア内の実在情報のみを精査して掲載しています。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 宿名 | 御油宿 |
| 所在地 | 愛知県豊川市御油町 |
| 宿場番号 | 第35宿 |
| 日本橋からの距離 | 299km |
| 次の宿場 | 赤坂宿 |
| 本陣 | 2軒 |
| 旅籠 | 62軒 |
| 徒歩での特徴 | 松並木型・留女の客引きで有名・姫街道追分・赤坂宿まで東海道最短1.7km |
| 最終確認日 | 2026年7月 |
歴史・背景
御油宿は、東海道35番目の宿場として慶長6年(1601年)に設置されました。
姫街道(本坂道)との追分に位置し、東海道と姫街道の分岐・合流点としても重要な宿場でした。
本陣は最盛期に4軒を数え、旅籠62軒・総家数316軒・人口1,298人の大規模宿場でした。
飯盛女を置く旅籠が多く、「留女」と呼ばれる客引きの女たちが強引に旅人を引き留めることで知られました。
「御油や赤坂、吉田がなけりゃ、なんのよしみで江戸通い」と詠われるほどの遊興の宿場でした。
十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも御油宿の客引きの様子が描かれ、江戸時代の旅のエンターテインメントとして広く知られていました。
御油宿と赤坂宿の間に植えられた松並木は、慶長9年(1604年)に徳川家康の命で植樹されたもので、現在も約300本が残り国の天然記念物に指定されています。
特徴・見どころ
■ 御油の松並木(国指定天然記念物)
御油宿と赤坂宿の間、約600mにわたり約300本のクロマツが並ぶ東海道屈指の松並木です。
慶長9年(1604年)に徳川家康の命で植樹され、現在も地元愛護会と小学生により保護活動が行われています。
五街道の松並木の中でも保存状態が良好で、江戸時代の街道の雰囲気を最もよく残しています。
十返舎一九「東海道中膝栗毛」にも登場する文学的価値の高い場所です。
御油宿の西端から赤坂宿の東端まで続くため、宿場散策の締めくくりとして自然に歩けます。
■ 御油の松並木資料館(入館無料)
松並木に関する資料のほか、江戸時代の御油宿の街並み復元模型が展示されています。
広重の浮世絵版画・近世交通文書・旅装束など100点以上の資料があります。
宿場の全体像を理解するのに最適な施設です。
■ 御油宿の旧東海道沿い町並み
御油橋から松並木まで約1.3kmの旧東海道沿いに、醤油蔵など江戸〜明治期の建物が点在します。
派手な観光地ではありませんが、静かな宿場町の雰囲気が残っています。
本陣跡(現在は石碑のみ)も宿場中心部に位置しています。
■ 姫街道追分(宿場東端付近)
東海道と姫街道(本坂道)の分岐・合流点です。
見付宿から約61.4kmにわたる姫街道がここで東海道と合流します。
追分の標識が残されており、二つの街道の結節点を確認できます。
歩く人向け実用情報
コンビニ・補給情報
■ コンビニ(御油町内・旧東海道沿い付近)
宿場エリア内またはすぐ近くにコンビニがあります。
飲料・食料・トイレすべて対応可能です。
■ 自販機
宿場内に複数設置されています。飲料の補充には困りません。
■ 名鉄御油駅周辺
駅周辺に小規模な商店があります。
▶ 補給戦略:御油宿は宿場町としては補給に困らない程度の環境です。
次の赤坂宿までわずか1.7kmのため、赤坂宿まで通しで歩いてからまとめて補給することも可能です。
ただし吉田宿から10.5km歩いてきた直後の場合は、ここで一度補給を入れることをおすすめします。
トイレ情報
■ コンビニ(宿場エリア付近)
トイレ利用可能です。
■ 御油の松並木資料館(入館無料)
トイレが設置されています。見学と合わせて利用できます。
■ 御油松並木公園(松並木沿い)
公園内にトイレが設置されています。松並木散策時に利用できます。
▶ トイレ戦略:コンビニ・資料館・公園と選択肢があるため問題ありません。
松並木を歩く場合は公園のトイレを事前にチェックしておくと安心です。
休憩スポット
■ 御油松並木公園(松並木沿い)
遊具・ベンチ・トイレがあり、松並木の中でしっかり休憩できます。
駐車場もあるため広いスペースでゆったり休めます。
吉田宿から10.5km歩いてきた場合は、ここで足を休めるのが最適です。
■ 御油の松並木資料館
見学しながら屋内で休憩できます。
展示を見ることで歩行の疲れを忘れられます。
■ 名鉄御油駅周辺
駅前で短時間の休憩が取れます。
飲食・補給ポイント
■ コンビニ(宿場エリア付近)
確実に食事ができるポイントです。
軽食・弁当類を購入できます。
■ 宿場内の飲食店
個人の飲食店が数店あります。
営業時間・定休日が不確定の場合があるため、確実に食事を取りたい場合はコンビニが安全です。
▶ 飲食戦略:大規模な飲食施設は少ないため、コンビニ利用が確実です。
次の赤坂宿まで1.7kmのため、両宿場を合わせて食事計画を立てるのも一つの方法です。
宿泊ポイント
■ 御油宿周辺の宿泊施設
宿泊施設は限られています。
▶ 宿泊戦略:御油宿単体での宿泊は難しいです。
豊橋駅(名鉄で約15分)に戻るか、豊川市中心部で宿泊するのが現実的です。
あるいは赤坂宿の旅館「大橋屋」跡付近や、さらに先の本宿・岡崎方面まで進んでの宿泊を検討してください。
注意ポイント(徒歩視点)
■ 松並木の保護
御油の松並木は国の天然記念物です。
松の根を踏まないよう、整備された歩行エリアを歩いてください。
松の枝を折ったり、ゴミを捨てたりしないよう注意してください。
■ 松並木資料館の開館時間
開館時間・休館日を事前に確認してください。
閉館時には外観のみの見学となります。
■ 宿場内の道幅
旧東海道は生活道路として使われており、道幅が狭い箇所があります。
車の通行もあるため、歩行時は端を歩いてください。
■ 赤坂宿との行程計画
御油宿〜赤坂宿は1.7kmと極めて短いため、通常は両宿場をセットで歩きます。
御油宿で時間を使いすぎると赤坂宿の見学時間が足りなくなる場合があります。
両宿場合わせての時間配分を計画してください。
歩きやすさ評価
| 項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 総合難易度 | ★☆☆☆☆ | 平坦で短距離。宿場内は歩きやすいです |
| 補給充実度 | ★★★☆☆ | コンビニあり。大規模施設は少ないです |
| トイレ安心度 | ★★★★☆ | コンビニ・資料館・公園と選択肢があります |
| 歩道安全性 | ★★★★☆ | 道幅は狭いですが車通りは少なく安全です |
| ナビの分かりやすさ | ★★★★★ | 旧東海道沿いに一本道。迷う要素がありません |
| 景観 | ★★★★★ | 御油の松並木は東海道屈指の景観。圧倒的な存在感です |
| 疲労度 | ★☆☆☆☆ | 宿場自体は短距離。負担は最小限です |
| 高低差 | ★☆☆☆☆ | 完全に平坦です |
実際に歩いた管理人のひとこと
御油宿に着いた瞬間、「10.5km歩いてきたご褒美が来た」と感じました。
宿場自体は静かで落ち着いた場所ですが、松並木に入った瞬間、時代がタイムスリップします。
約300本のクロマツが頭上を覆い、木漏れ日の中を歩く感覚は東海道の中でも唯一無二です。
「ああ、これが街道だ」と心から感じられる場所です。
広重の「旅人留女」の浮世絵を思い出しながら宿場を歩くと、当時のエネルギッシュな宿場の雰囲気が想像できます。
現在は静かな住宅街ですが、江戸時代は毎晩大騒ぎだったんだろうなと。
松並木資料館は無料なので必ず立ち寄ってください。
復元模型で宿場の全体像を見てから歩くと、理解が全く違います。
赤坂宿まで1.7kmなので、そのまま歩き続けてセットで楽しんでください。
御油の松並木を歩きながら赤坂宿に向かう区間は、東海道歩きのベストウォークの一つです。
まとめ
御油宿は東海道35番目の宿場で、「留女」の客引きで有名な大規模宿場です。
最大の見どころは国指定天然記念物の御油の松並木(約600m・約300本のクロマツ)で、東海道屈指の歴史的景観を体験できます。
御油の松並木資料館(無料)で宿場の全体像を理解してから松並木を歩くことをおすすめします。
次の赤坂宿まで1.7kmと極めて短いため、両宿場をセットで歩く計画を立ててください。
松並木を歩きながら赤坂宿へ向かう区間は、東海道歩きのハイライトの一つです。
街道現地情報募集
街道歩きに役立つ現地情報を募集しています。通行止め・補給・トイレ・危険箇所など、お気づきの情報をお寄せください。

関連リンク
・出発宿場:吉田宿

・到着宿場:赤坂宿

・前の区間:吉田宿〜御油宿

・次の区間:御油宿〜赤坂宿



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